第4章 サミットの誘引(2015~)
4-2.“警報”・二つ目の死
我が家の奇怪な冷蔵庫には、話の続きがある。
けたたましい警報は、その後の数ヶ月間は日によって鳴ったり鳴らなかったりが続いた。
7月下旬、実家の弟と携帯で長話しをした。
たまたま話の流れで、次の事実関係を相互に確認し合った。
6年前、飽きるほど体験した通話の異常である。それが弟との携帯通話の時にだけ再発していた。
そんな事を全て話し終えた頃、「カチリ」という比較的大きな金属音が聞こえた。
初めて聞く音だった。同時に、エコーその他が突如きれいさっぱりと消えた。
翌日から約3日間、私はさらに細かくさまざまなセキュリティ情報を調べた。
詳細は後回しにするが、Aのブログの中に、極めて危険な新しい脅威に関する記述を見つけたのだ。
7/30夕方、2014年のビットコイン消失事件をネットで調べた。114億円が消え、話題となった事件だ。
すると深夜12時頃、もう届く事はあるまいと思っていたスパムが、数年ぶりで届いた。
以下はその原文である。
届いた先はYouTubeだった。
PCを使う時はいつも、サウンドビデオのページを開いたまま音楽を聞いていたからだ。
着信方法は昔と全く同じだ。ページを開いている最中に、上から2番目か3番目辺り、丁度、目につきそうな場所にコメントを挿入してあった。
唯一違ったのは、はじめて見る強い脅迫口調だった。
その日は念の為、寝室のエアコンだけを残し、全てのブレーカーを切って寝る事にした。
暗がりで布団に入ろうとした途端、外に面した壁から大きな乾いた音が聞こえた。
重い物体を壁に叩きつけるような、ドンッバシッという破裂音に似た大きな音だ。
見ると、エアコンのコンセント接続口から火花が飛び散っていた。それは計5~6回続いた。
私は慌てて、残り一つのブレーカーを切った。
翌7/31、2つのニュースが流れた。1つはフェリーの火災事故。
もう一つは、昨夜ネットで調べたばかりのビットコイン事件の続報で、CEO逮捕のニュースだった。
フェリー火災は、原因不明の高圧電流により、無人の冷凍トラックが炎上。消化活動中に一人が死亡した事件である。
私はそのニュースを見て愕然とした。
今度ばかりは、ただの予感では済まない。
フェリー内の電源系統は、6年も前に感染している。その事実を私は知っているのだ。
JRの信号機故障が起きた時と、理屈もタイミングも変わりはない。
こちらが動き出すと、すかさず大きな破壊や事件を起こし、牽制・強迫するのである。
携帯ばかりか、どういうページを参照したか、ネット上での動きが完全に丸見えなのだと思った。
このテロリストは、意図して人の命を奪うようなヘマはしない。
それは保身の為の、一つの鉄則だ。
無人になる場所と時間、破壊目標となる機器のある場所、またはターゲットが常に居る場所の座標などを細かく確認した上で、攻撃を仕掛けるのだ。
ただし今回は予想外の事が起きた。死者を出した事だ。
厳密に言えば、犠牲者はこれで二人目である。
4日後、新たに2通が届いた。
やはりYouTubeのサウンドビデオで音楽を聞いていた時、約40~50分程経った頃にそれが現れた。
(別紙資料は、証拠として残すため、翻訳を添付して8/10に保存)
最初の一通は“ビットコイン消失事件”を調べた事への反応。
2つ目は、間違いなく“フェリー火災”に対する自供そのもの。
3つ目は、同時にビットコイン事件の続報があり、そのせいで調べたと思い、安心したのだ。
「キノコ」については後述する。
繰り返すが、ハッキングとサイバーテロ犯罪には、元々物的証拠というものは存在しない。
それ故に鷹をくくり、堂々とこうした犯行声明を送りつけてくる事は明らかだ。
物的証拠が無いからという理由だけで、この許しがたい犯罪を野放しにするならば、サイバーテロを防ぐことは永遠に不可能である。
日本の警察は、どれだけ多くの死者と破壊被害を出せば気が済むのか。
その重い腰が上がる日は、いったい来るものなのか。
私の中に、再びやり場のない怒りと焦燥感が燃え上がった。
そしてその日以来(7/31)、家の冷蔵庫は連日休まず鳴るようになった。
間隔は、一旦鳴り始めると約1.5~3時間置きだ。お蔭で毎日欠かさず11~12回、少ない日でも3~4回はコンセントを抜き差ししなければならなくなった。
それは極めて馬鹿げた作業だった。故障なら買い替えれば良いのだ。
だが万一アタックであれば、何度買い替えても結果は同じである。
それどころか、フェリー火災で冷凍車が爆発を起こしたように、冷却機構を持つ冷蔵庫も、やはり爆発の恐れがあるのだ。
家族は当然ながら半信半疑だったが、非常事態と覚悟する他はなかった。
あとはただの故障か、人為的なアタックなのかを自分の目で観察し、判断するしか方法はない。
最初に気付いたのは、鳴り方が厭らしいほど人間臭い事だった。
午前中はほとんど静かで、正月3が日の1/2、1/3は昼日中は一度も鳴らず、深夜から数度鳴っただけだった。正月休みまであるかと思い、私は呆れかえった。
さらに明けて1/6、弟が家に泊まったその日、たった1日だけ24時間一度たりとも鳴らなかった。理由は伏せておくが、この問題はすでに白黒がついた。
やはり電源ケーブルを悪用した人為的アタックだった。
他の可能性はすでにゼロである。
この現象を通してわかった事がいくつかある。
1つは、私ばかりか、被害を受けた家族全員が。携帯通話とメールの内容を監視されていた。
何しろ弟が家に入ってから帰るまで、連日あった警報がただの一度も鳴らなかったのだ。
詳細は割愛するが、家族の携帯電話まで追跡されていた事実が、つい先日ハッキリした。
ただし問題はその先である。
家族は全員がKDDIのauサービスを利用中だが、これはただのハッキングとは訳が違う。
特定の相手を継続的に盗聴し続けるには、「スティングレイ」のような特殊な盗聴システムが必要であり、また全員の連絡先リストを手に入れ、メールの送受信を常時監視するには、通信システムのサーバーを乗っ取るほか手はない。
相手は、金を十分すぎるほど持ったハッカーなのだ。どちらも可能性は十分ある。
いずれにしろ、NTTばかりかauのモバイル網やメールサーバーも、すでにテロリストの手中である。
けたたましい警報は、その後の数ヶ月間は日によって鳴ったり鳴らなかったりが続いた。
7月下旬、実家の弟と携帯で長話しをした。
たまたま話の流れで、次の事実関係を相互に確認し合った。
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前年の2014年9月頃から、エコーとカチャカチャ音は確かにあった。・2008年12月のホテルの落雷は、人為的なサイバー攻撃だった可能性がある事。
・その後、実家でも購入直後のPCが突然ブラックアウトで使えなくなる現象が2度起きていた。
・帰省中に買った私のPCも同じ現象を起こした。ホテル内に別の感染源がある可能性が高い事。
・嘗ての友人でやはり被害者のブログを見つけた日から、冷蔵庫に怪現象が起き始めた事。
・今話している電話にエコーがあり、どうやら内容が盗聴されているらしい事。
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6年前、飽きるほど体験した通話の異常である。それが弟との携帯通話の時にだけ再発していた。
そんな事を全て話し終えた頃、「カチリ」という比較的大きな金属音が聞こえた。
初めて聞く音だった。同時に、エコーその他が突如きれいさっぱりと消えた。
翌日から約3日間、私はさらに細かくさまざまなセキュリティ情報を調べた。
詳細は後回しにするが、Aのブログの中に、極めて危険な新しい脅威に関する記述を見つけたのだ。
7/30夕方、2014年のビットコイン消失事件をネットで調べた。114億円が消え、話題となった事件だ。
すると深夜12時頃、もう届く事はあるまいと思っていたスパムが、数年ぶりで届いた。
以下はその原文である。
------(1)7/30着-----【 F 】
As you've just been such a good adversary, I've saved my deadliest attack just for you!
「お前は実際このような好敵手だった。私は最も致死的な攻撃を、お前のためだけに取っておいた」
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As you've just been such a good adversary, I've saved my deadliest attack just for you!
「お前は実際このような好敵手だった。私は最も致死的な攻撃を、お前のためだけに取っておいた」
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PCを使う時はいつも、サウンドビデオのページを開いたまま音楽を聞いていたからだ。
着信方法は昔と全く同じだ。ページを開いている最中に、上から2番目か3番目辺り、丁度、目につきそうな場所にコメントを挿入してあった。
唯一違ったのは、はじめて見る強い脅迫口調だった。
その日は念の為、寝室のエアコンだけを残し、全てのブレーカーを切って寝る事にした。
暗がりで布団に入ろうとした途端、外に面した壁から大きな乾いた音が聞こえた。
重い物体を壁に叩きつけるような、ドンッバシッという破裂音に似た大きな音だ。
見ると、エアコンのコンセント接続口から火花が飛び散っていた。それは計5~6回続いた。
私は慌てて、残り一つのブレーカーを切った。
翌7/31、2つのニュースが流れた。1つはフェリーの火災事故。
もう一つは、昨夜ネットで調べたばかりのビットコイン事件の続報で、CEO逮捕のニュースだった。
フェリー火災は、原因不明の高圧電流により、無人の冷凍トラックが炎上。消化活動中に一人が死亡した事件である。
私はそのニュースを見て愕然とした。
今度ばかりは、ただの予感では済まない。
フェリー内の電源系統は、6年も前に感染している。その事実を私は知っているのだ。
JRの信号機故障が起きた時と、理屈もタイミングも変わりはない。
こちらが動き出すと、すかさず大きな破壊や事件を起こし、牽制・強迫するのである。
携帯ばかりか、どういうページを参照したか、ネット上での動きが完全に丸見えなのだと思った。
このテロリストは、意図して人の命を奪うようなヘマはしない。
それは保身の為の、一つの鉄則だ。
無人になる場所と時間、破壊目標となる機器のある場所、またはターゲットが常に居る場所の座標などを細かく確認した上で、攻撃を仕掛けるのだ。
ただし今回は予想外の事が起きた。死者を出した事だ。
厳密に言えば、犠牲者はこれで二人目である。
4日後、新たに2通が届いた。
やはりYouTubeのサウンドビデオで音楽を聞いていた時、約40~50分程経った頃にそれが現れた。
(別紙資料は、証拠として残すため、翻訳を添付して8/10に保存)
------(2)8/4着------【 G 】
This is the kinda shit I see when I close my eyes.
「これは少しばかりビクついた。目を閉じた時、自分でわかった」
------(3)8/4着------
If you only knew how much shrooms I've ate up to this song. :D
「お前は、この歌まで食べてしまうキノコを私がどれ程持っているか、知っているだけだったりして:D」
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This is the kinda shit I see when I close my eyes.
「これは少しばかりビクついた。目を閉じた時、自分でわかった」
------(3)8/4着------
If you only knew how much shrooms I've ate up to this song. :D
「お前は、この歌まで食べてしまうキノコを私がどれ程持っているか、知っているだけだったりして:D」
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2つ目は、間違いなく“フェリー火災”に対する自供そのもの。
3つ目は、同時にビットコイン事件の続報があり、そのせいで調べたと思い、安心したのだ。
「キノコ」については後述する。
繰り返すが、ハッキングとサイバーテロ犯罪には、元々物的証拠というものは存在しない。
それ故に鷹をくくり、堂々とこうした犯行声明を送りつけてくる事は明らかだ。
物的証拠が無いからという理由だけで、この許しがたい犯罪を野放しにするならば、サイバーテロを防ぐことは永遠に不可能である。
日本の警察は、どれだけ多くの死者と破壊被害を出せば気が済むのか。
その重い腰が上がる日は、いったい来るものなのか。
私の中に、再びやり場のない怒りと焦燥感が燃え上がった。
そしてその日以来(7/31)、家の冷蔵庫は連日休まず鳴るようになった。
間隔は、一旦鳴り始めると約1.5~3時間置きだ。お蔭で毎日欠かさず11~12回、少ない日でも3~4回はコンセントを抜き差ししなければならなくなった。
それは極めて馬鹿げた作業だった。故障なら買い替えれば良いのだ。
だが万一アタックであれば、何度買い替えても結果は同じである。
それどころか、フェリー火災で冷凍車が爆発を起こしたように、冷却機構を持つ冷蔵庫も、やはり爆発の恐れがあるのだ。
家族は当然ながら半信半疑だったが、非常事態と覚悟する他はなかった。
あとはただの故障か、人為的なアタックなのかを自分の目で観察し、判断するしか方法はない。
最初に気付いたのは、鳴り方が厭らしいほど人間臭い事だった。
午前中はほとんど静かで、正月3が日の1/2、1/3は昼日中は一度も鳴らず、深夜から数度鳴っただけだった。正月休みまであるかと思い、私は呆れかえった。
さらに明けて1/6、弟が家に泊まったその日、たった1日だけ24時間一度たりとも鳴らなかった。理由は伏せておくが、この問題はすでに白黒がついた。
やはり電源ケーブルを悪用した人為的アタックだった。
他の可能性はすでにゼロである。
この現象を通してわかった事がいくつかある。
1つは、私ばかりか、被害を受けた家族全員が。携帯通話とメールの内容を監視されていた。
何しろ弟が家に入ってから帰るまで、連日あった警報がただの一度も鳴らなかったのだ。
詳細は割愛するが、家族の携帯電話まで追跡されていた事実が、つい先日ハッキリした。
ただし問題はその先である。
家族は全員がKDDIのauサービスを利用中だが、これはただのハッキングとは訳が違う。
特定の相手を継続的に盗聴し続けるには、「スティングレイ」のような特殊な盗聴システムが必要であり、また全員の連絡先リストを手に入れ、メールの送受信を常時監視するには、通信システムのサーバーを乗っ取るほか手はない。
相手は、金を十分すぎるほど持ったハッカーなのだ。どちらも可能性は十分ある。
いずれにしろ、NTTばかりかauのモバイル網やメールサーバーも、すでにテロリストの手中である。